Change The Future「Agile Development in Action」に参加してきました。

Change The Future「Agile Development in Action」に参加してきました。

内容については、上記サイトに以下の様に記載されています。

"今後,XP/アジャイル・プロセスのムーブメントが
本格的に普及するかどうかは,開発者/プログラマによる
コミュニティ活動が,ユーザーを巻き込んでどこまで
拡大するかにかかっている。"
[2003/07/22]
いよいよ普及期を迎えるか――二つのイベントに見るアジャイル・プロセスの今
それから、7年。
開発の現場は、変わったか?
よろしい。
我々の言葉を、聞け。

■内容
 今回のDevLOVEは、俺たちのアジャイル開発(アジャイル開発事例)
 とライトニングトークスの予定です。

 ◆受付(19時より)

 ◆@さん事例発表  (19時30分開始予定)
   「Agile66 〜新人研修でガチアジャイル〜」
    ─ 諸君、これがソフトウェア開発だ。 ─

 ◆@miholovesqさん事例発表 (20時10分開始予定)
   「アジャイル開発を始めませんか」
    ─ 現場の活き活き感は周りに伝わる。 ─

あのお方の発表があると聞いては参加しないなんて出来るだろうか? いや、ない(反語)というわけで参加してきました。

オープニング

自分はイベントや勉強会に参加すると、座れるならば最前列の真ん中に陣取るので、今回も陣取っていたら@DiscoveryCoachさんから「changeworldさん、知り合いと喋ってないで、知らない人と喋ってくださいね」という無茶振りがありました!
アルティメット非リア充&アルティメット非コミュ&アルティメットぼっちにこんな無茶振りとは、恐ろしいですね。
オープニングからこの無茶振り…さすが、DevLOVE…恐ろしい子と戦々恐々しました。

「Agile66 〜新人研修でガチアジャイル〜」 by @daipresentsさん

@daipresentsさんの講演はアジャイル開発を体験させる為に新人研修において、アジャイル開発のプラクティスを組み込んだ形で、プログラム開発をさせた事例についての話でした。
企業でのプログラミング方法について、全く知識のない新人がアジャイルな開発を行った場合どの様になるのか?ということについてとても参考になる良い講演でした。

講演の中で気になったキーワードは以下に記載します。

  • 固定観念の無さと若さの相乗効果だとは思いますが、新人が最初は苦戦したものの、研修の終わりにはアジャイルな開発に慣れ、高い成果を出していることがデータからも見て取れ、大変興味深かったです
  • 研修中は、“アジャイル”や“XP”といった言葉を使わない様にしていたらしい
    • 先入観をなくす為とはいえ、これには賛否両論ありそうですね。私は研修の終わりには、用語を教えて、誤解が出ない様に最低限行動した方が良いとは思います
  • リポジトリやHudson(Maven使用)といった環境は事前に藤原大さんの方で用意しておいた
    • そこにチェックイン、チェックアウトしてもらうことで、各チームのソースの状態を計測できるようにした
  • 理想と現実のギャップを感じて欲しかった
    • 研修は厳しくて楽しいものと感じて欲しかった
  • どこまで研修に必死にさせることが出来るか、どこまで研修に必死になることが出来るかが難しかった
  • 種まきをした
    • 選択の自由
    • 現場で今やっている方法が間違いだと思ったのなら、声を上げて欲しいと思っている

アジャイル開発を始めませんか」 by @miholovesqさん

@miholovesqさんの講演は自身のチームがアジャイルな開発に取り組んだ事例を通して、工夫したことや参考にしたこと、気づいたことに関する講演でした。
IBM Innovate 2010 でも講演されたものがベースでしたが、開発者向けにアレンジした*1とのことでしたが……そんなにアレンジされてましたっけ?w
内容としては、開発中で具体的に起こったこと、行ったことを発表されるものでしたので、非常に参考になる良い講演でした。
もちろん、その中にはお客様との折衝だけではなく、社内との折衝といった非常に難しい点についても赤裸々に語られており、これから取り組むことを考えているミドル、ボトム層にとっても、参考になる点の多い講演だと思います。

講演の中で気になったキーワードは以下に記載します。

  • 自己組織化されていない(自ら開発を行う雰囲気がチームにない)という危機感があった
  • スタートアップ時に、チーム全員の知識レベルの平準化の為に、各種のアジャイル研修に参加した
    • また、その熱が冷めない様に社内勉強会も開催した
  • お客様には“優先度付け”と“レビュー&フィードバック”をしてくださいとのみ伝えた
    • 最低限これだけは必要だと判断してのことなんでしょうね
  • 社内には“温かく見守ってください”ということと、プロセスチェック部門にはきちんとした説明を行った
    • プロセスチェック部門を納得させることが難しいとよく聞くので、これは簡単なことではないと思われる
  • Rational Team Concert を使っていたが、アナログでアジャイル開発のプラクティスをやったことのない人がいきなりデジタルでやっても分からなかった
    • その為、デジタルからアナログに変更した
    • 誰かがタスクボードの前にいると、つい目に入るもの、アナログなツールは誰かが変更しているのを皆がリアルタイムで見えるのでチームに良いフィードバックを与えた
      • まずはアナログでやってみて、真意を掴んでから、効率化の為にデジタル化できないか?を考えるのが良い方法なのかも知れず
  • まず試して、ダメだったらすぐやめるということを繰り返した
    • Try & Error. 頭でっかちにならない様に工夫していると感じた
    • Water Fall に比べて、繰り返し試す機会があったというのも、Try & Error を出来た一つの理由と思います
  • 塹壕より Scrum と XP が好き
    • プリントアウトして机の上にそっと置いていた
    • 最後の頃にはボロボロなる程、(自称:みんなで、他称:一人で)読んだ

ビアバッシュ&LT

申し込み時にLTを行うか否かを記入する欄がありました。
そこに思いっ切り「LTをしない」と選択しつつも、LTを準備してしまうのが自分がサガ。
@quindimさんからも会場に着いたら「LTやってくれませんか?」と言われており、渡りに船とばかりにLTをしてきました。
今回のLTは『はじまったふりかえりの話をしよう』と題したもので、今回のLTでも素晴らしい体験をすることが出来ました。
ただ、私のLTはLTとしてあまり良くないものなので、私のLTの話はここら辺にしておくとして、どれだけLTをすることが素晴らしいかを語らせていただきます。
初めて、60分の講演をした時は、何回か聴講者を見ることが出来きました。
次に、5分の初LTをした時は、数回しか聴講者を見ることが出来ませんでした、頻度としては、講演の時よりも少なかったと思います。
しかし、2回目のLTは1回目よりもっと聴講者を見ることが出来ました。
なので、人前に出るとアガると思っている人はもっと前に出て発表すれば、アガることがなくなるよと、プレゼンの練習にもなりますよと言いたいです。
先日GLT×とべとべ×DevLOVEのワールド・カフェで「LTするとヒーローだよ! 話しかけられるから非コミュはやるべき!」とか言っていた人いましたが、これ全くの嘘ですwww
何故ならLTを何度かしましたが、ヒーローにもなれませんし、話しかけられもしないからですwww
これは罠なので、皆さん気をつけましょう。
また、急遽司会をお願いされた銀河一の司会者@georzさんの司会っぷりが素晴らしくて驚きました。
自分のLTの準備もあったので、あまり他の方のLTを見ている余裕は無かったのですが、印象に強く残ったのが@take3000さんの今日はライダー出さないよ⇒案の定ライダー出てきましたwwwと、@kaji_3さんの家庭内 Agile 事例のLTでした。

その他

@kawaguti: 誰か代わりにイノベーションスプリントの告知しといて #devlove
@kawaguti: @daipresents これ流して同時通訳してください。 #devlove RT @kawaguti: イノベーションスプリント2011 に向けて ジェフ・サザーランドさんからのビデオメッセージです http://bit.ly/aiiaAn #inspr
といった風に、鬼のような無茶振りをする@kawagutiさんがすごかったですwww
さすが、すくすくスクラム恐ろしい子と戦々恐々しましたwww
そして、告知をよしおかさんのLT資料に仕込んだ@daipresentsさんはマジぱねぇっすwww

感想

「Agile66 〜新人研修でガチアジャイル〜」 by @daipresentsさんの講演後に質問をしようと思っていたのですが、時間もおしていたのでblogに疑問点を書きます。
講演を聴いての疑問点は1つで、『その Agile は“開発者の為の Agile”になっていませんか?』ということです。
講演の中で、ビジネスの価値や顧客に対するより良い価値といった類のキーワードは特になかったと感じました。
また、契約やマネジメントの部分が無い様にも感じました*2
研修なので契約までやるのは厳しいかもしれませんが、固定観念や先入観を持たせない為に、“アジャイル”や“XP”といった言葉を使わない様にしたのに、そこに契約やマネジメントを入れないのは非常に勿体無いと思います。
固定観念や先入観が植えつけられてしまった後ではなく、固定観念、先入観がない状態の時こそ、ビジネスの価値や顧客に対するより良い価値も含めた全体像を体験させてあげた方が良かったのではないかなと思うのです。
とは言っても、新入社員66人に対して、一度にこれだけの体験をさせてあげたというのは素晴らしいことです。
もし、私が同じ立場になったとしても、到底出来るとは思えません。
@daipresentsさんとはまだ何度かしかお会いしたことがないのですが、こういった発表を聞くと、その人の考えや持っている雰囲気がぐっと伝わってきて良いですね。
こういう方の発表を聞くと、自分も負けてられないぞ!と最初から負けると分かっている挑戦をしてしまいます。
素晴らしいリーダーを少しでも見習わなくてはいけないなと想いを新たにしました。

DevLOVEはスタッフや参加者の皆さんが毎回モチベーションが高い方ばかりで参加していてとても気持ちが良いものです。
最後に企画・運営をしてくれたDevLOVEのスタッフの皆さん、そして参加者の皆さん本当にありがとうございました。

*1:IBM Innovate 2010では、PMや経営層向けの資料でした

*2:実際は入れていたのかもしれませんが、発表からは読み取れなかったです